プロフィール

花との出会い

兄弟姉妹の末っ子の私は家族の皆から可愛がられて育ちました。

兄弟姉妹の中で、特に私を可愛がってくれた姉は、花が大好きな人でした。

今も忘れられない思い出は、私はその姉によく散歩に誘われて田舎道を歩きました。末っ子の私は姉と一緒にいるのが嬉しくて、ただ姉の背後からついて散歩に行った記憶があります。

ふと姉の姿を見ると姉はなぜかいつも道端を歩きながら、何かを探すように歩いていました。
そして、可愛い草花を見つけてはそれを私に持たせて、また歩き出しては草花を摘みながら散策するのです。

そんな二人の行動を母が見つけて、母は嬉しそうに姉に声をかけた言葉がありました。

「あなたは、まっすぐ前を見ないでいつも下ばかり見ながら歩いているねぇ~」

母は、姉が花に興味を持っていることを一番よく理解していたように思います。

ある時、姉が私に遊びながら

「このお花にはどの花器が似合うと思う?」

と言って花器を選ばせたことがあります。そして、私にお花を生けさせるのですが、傍でニコニコしている姉がいました。姉は物静かで優しい人でした。

今思うに、これが花との最初の触れあいのように思います。

花のチカラ

そんな姉は、いつしか県下で数人の教授師範として活躍するようになり、姉の下で沢山の生徒さん達がお稽古をするようになっていました。姉も嫁ぎ先の家業と師範として両立で忙しく暮らしていました。

やがて月日が経ち私も嫁ぎ数年が経ったある日、姉が脳梗塞で倒れたという知らせを受け、病院に駆けつけた時は意識もなく昏睡状態が続いていました。

お医者様から「絶えずお声かけをしてあげてください!」と言われました。

昏睡状態が三日程続いたある日、私はふとあることを思い出しました。

(そうだ!お花の話を耳元でしてあげよう!)

「お姉さん!」
「お見舞いに頂いた綺麗な花がほらここにあるわよ!」
「香りもいいし、起きて!」

何度か話し掛けること数時間、ふと見ると姉の瞼が動いたように思い、すぐ先生を呼びました。

暫くすると姉が少しずつゆっくりと目を開けるようになりました。

お見舞いで頂いた一輪の花を私が動かす方向に姉は目で追うのです。

やがて姉も自分の状況がわかったようで、涙が頬を伝っていました。見舞いに来ていた兄弟姉妹で泣いて喜びました。

その時私は、姉は本当に花が好きだったこと、花が姉を目覚ましてくれた事に心から感謝しました。

そして、母からは「あなたはお姉さんの気持ちがよく解ってるね!」って、私を褒めてくれた事を思い出します。
今でもあの光景は忘れることはありません。

花を愛する想い

姉の生け花は、庭に季節ごとに咲く花や、草花が花器の中でとても綺麗に自然な形を作りだしていました。

決して派手ではなく華美な色合いは少なく、ごく自然な色合いをすっきりと活けるのがすきな人でした。それはいつも心に感じるものがありました。

私が今携わっているお花はそういった姉からの教えが基本になっているのかも知れません。そんな姉の想いと一緒にこれからもお花に携わって行けたら最高に幸せだな、と日々感じています。

お花は人と人との心の懸け橋をもしてくれます。

お花たちに癒され、眺めている時間は心がゆったりと和みます。日々のこうした時間をたくさんの方達にも持って欲しい・・・。

こんな想いから、ブリザーブドフラワーや アーティフィシャルフラワー、ドライフラワーなどを
使ったオリジナルフラワーアレンジやお手持ちの大切なフラワーアレンジのリメイクもしています。

花にも色んな分野が存在しますが、お花を愛する想いは誰しも同じと思います。そして、幸せな気持ちにさせてくれる花々と触れ合い、沢山の人の想いを形にして喜んで頂けたら幸いです。

華道、生花アレンジ、アーティフィシャルフラワー含めお花に携わることおよそ30年余りです。

                                          フルールちよ
                                          牧田千代子